私たちの歩み:1951年からの Gloverall
Gloverall は、1951年にハロルドとフリーダ・モリス夫妻がロンドンで創業した英国のアウターウェアブランドです。その名は、二人がもともと営んでいた手袋(gloves)と作業着(overalls)の卸売業を縮めたものです。始まりは、戦後の軍放出品として出回っていた英国海軍のダッフルコートの販売でした。放出品が尽きると、二人は同じパターンの新しいコートの製造を発注します。こうして Gloverall は英国海軍のダッフルコートを一般の人々に届け、この発注がコートづくりの出発点になりました。2026年、Gloverall は創業75周年を迎えました。
1951年:手袋と作業着、そして倉庫いっぱいの海軍ダッフル

戦後のロンドンには軍の放出品があふれ、質のよいコートが足りていませんでした。手袋と作業着の卸売業を営むハロルドとフリーダ・モリス夫妻は、英国海軍のダッフルコートをまとめて引き受け、需要が供給を上回ることに気づきます。ここでの判断が、会社の進む道を決めました。代わりの品を探すのではなく、二人はロンドンで生産を発注します。軍と同じパターンのまま、新しい生地から裁断した新しいコートを、一般の人々に向けて用意したのです。
Gloverall は何かを発明し直したわけではありません。本物を、誰もが手にできるものにしたのです。
ダッフルコートの始まり
ダッフルコートという名は、17世紀から厚手のウール生地を織ってきたベルギーの町、ダッフェルに由来します。英国海軍は第二次世界大戦中、北極海と北大西洋の輸送船団に乗る船員のためにこのデザインを採用しました。特徴的なトグルとループの留め具は、見た目のための選択ではなく機能の答えです。極寒のなか、手袋をしたままでも簡単に開け閉めできました。生地のことから輸送船団のことまで、物語の全体はジャーナルの「ダッフルコートの歴史」でご紹介しています。
1950年代と60年代:Monty が英国の日常へ
Gloverall でもっともよく知られるコートは、戦時中の愛称をそのまま名に持ちます。Original Monty の名は、バーナード・モントゴメリー元帥に由来します。元帥が戦中ずっとこのコートを着ていたことで、ダッフルコートは英国の人々の記憶に焼きつきました。1957年のモナコグランプリでは、レーシングドライバーのトニー・ブルックスが Gloverall の Monty を着た姿が、スターリング・モスやマイク・ホーソーンとともに写真に残っています。

1950年代から60年代にかけて、ダッフルコートは英国の暮らしに欠かせない一着になりました。学生、ミュージシャン、核軍縮運動(CND)の行進に加わる人々、そして通学する子どもたちが袖を通しています。1958年、マイケル・ボンドがパディントンベアのために一目でそれとわかるコートを必要としたとき、選ばれたのはダッフルコートでした。その親しみやすさは、その後も途切れていません。
1962年と1965年:ノーサンプトンシャーの工場と、輸出されるコート
1962年には需要が伸び、Gloverall はノーサンプトンシャーに自社工場を開きました。ここは、その後の姿をかたちづくる時期を通じて、ものづくりの拠点となった場所です。1965年には、日本、香港、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカへとコートを輸出するようになっていました。

1980年と1984年:冬季オリンピック

1980年の冬季オリンピックでは、Gloverall のダッフルコートが英国チームに供給されました。1984年には、トーヴィルとディーンが再び袖を通しています。

1990年代:ブリットポップとレコードジャケット
ブリットポップの時代、ダッフルコートはファッション誌に、そして街に戻ってきました。それは懐古趣味の再演ではありませんでした。その頂点が1995年でした。創業家の名を冠した Morris ダッフルコート が、オアシスの『Roll With It』のジャケットに登場しました。この一着は今もラインナップに残っています。

2019年:プリンセス・ロイヤルの再訪
プリンセス・ロイヤル(アン王女)が初めて Gloverall を訪れたのは1986年のことでした。2019年には再び来訪し、ロンドン・ブルームズベリーのオフィスでチームと会い、そのラインナップをご覧になりました。

2021年:創業70年
2021年、Gloverall は創業70周年を記念して、もっともよく知られる三つのスタイル、Monty、Morris、Churchill をもとにした限定コレクションを発表しました。

2024年:『ドクター・フー』
2024年、ミッドレングス Monty が『ドクター・フー』に登場し、ドクターが着用しました。

2026年:創業75年
Original Monty は今も生産が続いています。トグルとループの留め具も、全体の比率も、ほとんど変わっていません。つくり直す必要がなかったのです。
2026年:Dufflewool、天然ウールの中綿
最新の取り組みは、ウールをコートの内側に入れることでした。Dufflewool は Gloverall の天然ウール中綿です。中綿はウール100%で、グースダウンに代わるダウンフリーの選択肢になります。Gloverall 自身の計測では、ポリエステルより25%軽い重さで暖かさが得られます。

2026年秋冬シーズン、Dufflewool は8型のラインナップに広がりました。キルティングライナージャケットや MA1 ボンバージャケットから、パファジャケット、フィールドジャケット、パーカ、ダッフルコートまで。すべて下に挙げたとおりで、Dufflewool コレクションでもご覧いただけます。
Gloverall が今つくっているもの
ダッフルコート
Original Monty は今もラインナップの中心にあり、メンズ Original Monty ダッフルコート と レディース Original Monty ダッフルコート として並びます。その隣にあるのが メンズ ミッドレングス Monty ダッフルコート です。倉庫で見つかったミッドレングス Monty のアーカイブの実物は、メンズ ミッドレングス Monty ダッフルコート (アーカイブ) としてお求めいただけます。
共同創業者フリーダ・モリスの名を受け継ぐ Freda ファミリーは、レザーループにバッファローホーンのトグルを合わせ、ダッフルコートを現代的なシルエットへ広げています。レディース Freda ダッフルコート、レディース Freda ロングスリムフィット ダッフルコート、レディース Freda ショートスリムフィット ダッフルコート がその仲間です。メンズ Morris ダッフルコート と メンズ Morris ミッドレングス ダッフルコート は、創業家の名をラベルに残しています。レディース Shelley クロップド ダッフルジャケット は、ダッフルをジャケット丈に持ち込んだ一着です。ここに挙げたコートとジャケットは、メンズ・ダッフルコート と レディース・ダッフルコート の各コレクションからもご覧いただけます。
ピーコートとオーバーコート
メンズ Churchill ピーコート は、同じ構造の考え方を海軍のピーコートに当てはめた一着です。そこに メンズ Admiralty メルトンウール ピーコート と レディース Clementine ピーコート が加わります。メンズ Chesterfield オーバーコート と レディース Chesterfield オーバーコート は、仕立てのよいオーバーコートの領域へとラインナップを広げます。メンズ Hynes Harris Tweed® オーバーコート はシド・ハインズにちなんだ名前で、アウター・ヘブリディーズ諸島で織られた Harris Tweed® を使っています。Hynes には メンズ Hynes ウールコート もあり、Selvon が同じ組み合わせをレディースへ広げて、レディース Selvon ウールコート と レディース Selvon Harris Tweed® オーバーコート になりました。
子供用のコート
子供用のラインナップには6型のダッフルコートがあります。4型は 子供用 Original ダッフルコート、子供用 メルトンウール ダッフルコート、子供用 ヘリンボーンウール ダッフルコート、子供用 Corduroy ダッフルコート です。残る2型は撥水仕様で、子供用 Gabardine 撥水性 ダッフルコート と 子供用 Ripstop 撥水 ダッフルコート があります。子供用 ピーコート は、Churchill のディテールを子供の寸法に落とし込んだ一着です。
Dufflewool
メンズの Dufflewool には、Monty Dufflewool ダッフルコート、Hawkins Dufflewool パーカ、Oak Dufflewool フィールドジャケット、Bonington Dufflewool パファジャケット、Silas Dufflewool キルティングライナージャケット があります。レディースには Shepherd Dufflewool パーカ と Marilla Dufflewool キルティングライナージャケット が加わります。ユニセックス Ryder Dufflewool MA1 ボンバージャケット が Dufflewool のラインナップを締めくくります。
Gloverall Outdoor
Dufflewool の各型のほかに、Gloverall Outdoor には メンズ Sharpe テクニカル フード付きパーカ、メンズ Wainwright パッカブルジャケット、メンズ Chapman スーベニア フライトジャケット、レディース Bacall クロップド トレンチコート が揃います。
ニット
ニット は、メンズ Submariner セーター と メンズ Breton Submariner セーター から、メンズ Fisherman セーター、メンズ Aran セーター、メンズ Oxford ブラッシュドラムズウール セーター、メンズ ショールカラー カーディガン まで揃います。ニットのポロも2型あり、メンズ ショートスリーブニット ポロシャツ と メンズ ロングスリーブニット ポロシャツ です。
トレーナー、パーカー、Tシャツ
日常の一枚としては、ユニセックス 'G' プリント パーカー、ユニセックス『G』刺繍 トレーナー、メンズ 'G' プリント Tシャツ、メンズ ロングスリーブトップ があります。75周年に合わせて、ユニセックス Ivy Boys アニバーサリーグラフィック パーカー、ユニセックス Ivy Boys アニバーサリーグラフィック トレーナー、メンズ Ivy Boys アニバーサリーグラフィック Tシャツ も加わりました。
アクセサリー
アクセサリーには ユニセックス リブメリノ ニット帽、ユニセックス メリノウール ウォッチ キャップ、ユニセックス オーバーサイズ ラムズウール マフラー が並びます。ピンバッジは3種類で、Original Monty ダッフルコート ピン バッジ、シールドラペルピン バッジ、ラブピン バッジ がこのグループを締めくくります。
お手入れと修理
お手入れと修理 では、交換用のトグル、ロープ、ボタンを扱っています。木製トグルとジュートロープを組み合わせたセットは3種類あり、ニス仕上げの木製トグルとジュートロープ、無塗装の木製トグルとジュートロープ、ミディアム丈 Monty ブラウン木製トグルとジュートロープ です。そのほかのトグルは ホーン・トグル(ブラックレザー付き)、ホーン・トグル(ブラウンレザー付き)、子供用プラスチックトグル ブラック があります。ボタンは アンカーボタン ゴールド と アンカーボタン ブラック です。
Gloverall Renewed
Gloverall Renewed は、Gloverall 自身の余剰(生地、附属、アーカイブの素材)を英国の独立系メーカーに託す取り組みです。作り手たちは、アーカイブから出てきたものを使って、小さな限定コレクションを組み立てます。そのままなら捨てられていたものに、現実的な使い道を与える試みです。そして出来上がるものは、たいてい見る価値があります。メンズ Renewed Works ジャケット ネイビー、メンズ Renewed Works ジップ ジャケット ネイビー、メンズ Renewed Works ボタン ジャケット サンド、メンズ Renewed Works ベスト ネイビー、メンズ Renewed Serviceman ベスト カーキ などが並びます。そこにキャップ1型とバッグ2型、ユニセックス Renewed Hulme キャップ、ユニセックス Gloverall x Minnessak Renewed ウィークエンドバッグ、ユニセックス Gloverall x Minnessak Renewed クロスボディバッグ が加わります。
コラボレーション
コラボレーション からは、Norbit との2型、メンズ Gloverall x Norbit ミッドレングス Monty ダッフルコート ダークネイビー と メンズ Gloverall x Norbit Morris コート ダークネイビー が挙がります。Dawson Denim がさらに3型、メンズ Dawson Denim タイプ II トラッカージャケット、メンズ Dawson Denim スタンダードフィットジーンズ ダークインディゴ、メンズ Dawson Denim ワイドレッグフィットジーンズ ウォッシュドインディゴ を加えています。この3型はいずれも日本製です。
Made in England
Gloverall は1951年からイングランドでコートをつくってきました。Heritage コレクションのコートはすべて、ロンドン郊外の自社工場で作られるイングランド製です。なぜそれが大切なのかは Made in England のページで説明しています。そこには、このことについて制作した5本のフィルムも掲載しています。コートは Heritage コレクションからご覧ください。
よくあるご質問
Gloverall とは?
Gloverall は、1951年にハロルドとフリーダ・モリス夫妻がロンドンで創業した英国のアウターウェアブランドです。英国海軍のダッフルコートを一般の人々に届け、1951年からダッフルコートをつくっています。現在のラインナップには、ピーコートとウールのオーバーコートも並びます。Gloverall は2026年に創業75周年を迎えました。
Gloverall の創業はいつですか?
1951年です。ハロルドとフリーダ・モリス夫妻がロンドンでブランドを立ち上げ、はじめは英国海軍のダッフルコートの放出品を販売していました。その後、軍と同じパターンのまま新しい生地から裁断した新しいコートの製造を発注しました。
なぜ Gloverall という名前なのですか?
モリス夫妻がもともと営んでいた手袋(gloves)と作業着(overalls)の卸売業を縮めた名前です。ブランドは1951年からこの名を使っています。
Gloverall の Original Monty とは?
Original Monty は Gloverall を代表するダッフルコートです。膝丈で、ジュートロープのループに木製トグル、そして幅の広いフードを備え、1951年のパターンのまま今も生産が続いています。名前はバーナード・モントゴメリー元帥に由来します。名前の由来と、Heritage コレクションがどこでつくられているかは、Made in England のページでご紹介しています。